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70回目の「敗戦」記念日に [神やぶれたまはず]

阿修羅板にところかまわず眠りこける人が激増 社会崩壊の前兆か?の記事が出て、それに応える「フクイチ再臨界について 霧と水蒸気の違いがわかりやすい写真付きの記事、と思ったら、新ベンチャー革命が「東電福島事故原発から発生する不気味な霧にご用心新ベンチャー革命氏の認識が、広瀬隆氏を媒介に、飯山氏の認識と一致したように見えます。
そしてまた飯山氏曰く、「来年はない 見納めの夏」。そんな中での70回目の終戦記念日。いくつかの記事を読んだので整理しておきます。


まず、全国戦没者追悼式での天皇陛下のおことばに変化があった。スプートニクの「終戦の日;天皇陛下『深い反省』」の記事がすっきりしている。


戦後70年を迎えたことし、天皇陛下は14年ぶりにおことばをかえ、戦後の日本の歩みを振り返る部分に、多くのことばを足されました。/まず、今日の平和と繁栄を支えたものとして「国民のたゆみない努力」に加え、新たに「平和の存続を切望する国民の意識」という表現を用いられました。そのうえで、例年、「苦難に満ちた往時をしのぶとき、感慨は今なお尽きることがありません」としていた部分を「戦後という、この長い期間における国民の尊い歩みに思いを致すとき、感慨は誠に尽きることがありません」と言いかえられました。/さらに、戦没者を追悼し平和を願う結びの一文に、「さきの大戦に対する深い反省と共に」ということばを加えられました。戦没者追悼式での天皇陛下のおことばがこれだけ変わるのも、「反省」ということばが盛り込まれたのも、今回が初めてのことです。》


両陛下のひとつひとつの挙措をニュースでじっと見ていた娘いわく、「お二人がいる限り安心だね」。娘の亭主はアパレルで紳士服専門なのだが、その目から見れば、天皇陛下の着こなしには画然たるカリスマ性を感じるのだそうだ。言われてなるほどと気づかされた。


ロシアへの4000万人日本人移住が次第に現実味が増す中で、スプートニクの「ソ連の対日参戦は米国がしつこく頼んだから」の記事が重要だ。

 

今、韓国を含む一連の国々で、日本軍撃破・朝鮮半島解放・第二次世界大戦終結におけるソ連の役割をおとしめることを目指した、歴史的事実の意図的改竄がまかりとおっている。プロパガンダが創り出した神話である。それによれば、ソ連は米国による広島・長崎原爆に便乗し、日本を降伏させ、極東というパイの切り分けに参加しようとした。このようなでっち上げは歴史的事実を示すことにより容易に反証される。ソ連が極東で参戦したのは、連合諸国、特に米国から再三の要請があったからなのである。》

 

日ソ中立条約の一方的破棄によるソ連の日本侵攻、「氷雪の門」に象徴される悲劇の数々、その背景にプロパガンダ性がなかったかどうか、立ち止まらせられた。シベリア抑留のHさんに聞いた実際の体験談を思い起こした。

 

4年間のシベリア抑留生活、「さぞ大変だったでしょう?」の問いの答えは思いがけないものだった。/満州奉天で終戦、武装解除でソ連に連れてゆかれることになった。それまでの日本兵の中国人たちに対する処遇から判断して、何をされるかわからないと覚悟してのシベリア行きだった。/連れてゆかれたところはウクライナのバスタロードというところ、収容地区としてはウクライナは最も西。冬も雪は降らず気候は比較的温暖。従事した仕事は主に綿花を摘む仕事。朝は8時半から夕方の4時までの仕事で、きっちり始まりきっちり終わる。全然辛くはない。しかもロシア人女性と一緒。ロシア人女性は親切で気立てがよく、日本人捕虜を何かと気遣ってくれる。少しずつ言葉も通じるようになると、日本に残した家族のことなども話題にしてくれる。ロシアの新聞の情報から、日本への帰還見通しを探ってくれたのも女性たちであったとか。「女はどこの国でもおんなじだ」。・・・いい思い出を話すように語られた抑留生活はほんとうに意外でした。ロシア人の日本人に対する処遇に比べ、日本人の中国人に対する仕打ちがいかに酷かったかを何度も言われました。》 

 

私自身の歴史にも重なる小林よしのり氏の発言にも注目。

 

ある意味、村山談話的な謝罪も仕方がないということを、そろそろ日本の保守の側も大人になって、考えないといけない。わしはそういう気がしている。だから、わしは今や村山談話にそんなに否定的ではなくなった。》

 

小林氏がこう言うようになった変化は大きい。副島氏の発言が重なる。

 

国際法(インターナショナル・ラー)である サンフランシスコ講和条約の条文をずっと読んでいると、安倍が、勝手に、自分(たち)の主観で、連合諸国(ザ・ユナイテッド・ネイションズ)、これが、そのまま、戦後の=現在の世界の秩序=支配体制であって、これが、The U.N.(ザ・ユーエヌ、連合諸国  ×国連 と訳すな )を作っているのだから、これに逆らう行動、と発言は、許されない、ことが分かる。/安倍晋三程度の知能の低い人間(たち)でも、「外国がうるさいなあ。いつまで謝罪を続けるんだよ―」と 言うことは出来ない。安倍たち、日本のチンコロ右翼(おそらく500万人ぐらいいる)たちが、「ヤルタ=ポツダム体制の打破」、「戦後レジームからの脱却」を言うと、世界=国際社会=ザ・ユーエヌが、許さない。/そして、このザ・ユーエヌ(ユナイテッド・ネイションズ)とは、五大常任理事国(ごだいじょうにんりじこく)と日本語では訳される、ザ・ファイヴ・パーマネント・メンバーズである、 米、英、フランス、ロシア、中国の5大国である。“世界のお役人さま”である。/この5大国の合意事項に逆らうと、軍隊による戦争行為ではなくて、国際的な警察(けいさつ)行動である、PKO(ピース・キーピング・オペレーション)の対象になる。強制執行(フォース・メジュール)の対象になるのだ。ザ・ユーエヌは、当事者となって戦争をするはない。警察行動をするのだ。警察行動の方が、国々の軍隊行動(軍事力の行使)よりも一段上である。》


日本は「敗戦」の事実をまだまだ深く考えねばならないのだ。あらためて長谷川三千子氏の『神やぶれたまはず』を思う。昨年正月、その著を読んでこう書いた。

 

《いかにして「我々の神学」をうちたてるか》という切実な課題に明確に答えようとする著。今のままの状態がつづけば、日本人の精神はずるずるとメルトダウンしてゆくしかない。そのぎりぎりの瀬戸際にあって、防戦一方の体勢から反撃に転じる確かな橋頭堡を築くことに成功した。われわれは、ここから出発すべきである。・・・

日本人にとって、昭和20815日のあの一瞬ほど重大な「精神史」的体験はない。

《昭和208月のある一瞬――ほんの一瞬――日本国民全員の命と天皇陛下の命とは、あひ並んでホロコースト(供犠)のたきぎの上に横たはっていたのである。》p.282

この瞬間こそまさに、「神人対晤」(三島由紀夫『英霊の聲』)の至高の瞬間であった。

《大東亜戦争敗北の瞬間において、われわれは本当の意味で、われわれの神を得たのである。》・・・

《(橋川文三)氏は、ヨーロッパの歴史意識成立の背後には、「イエスの磔刑に対する深い共感の伝統」があったと言ふ。そして「世界過程を、イエスの死の前と後に分かつというような啓示的発想は、まさにその死の超越化によって成立したのである」と言って、次のやうに述べるのである。/「私は、日本の精神伝統において、そのようなイエスの死の意味に当たるものを、太平洋戦争とその敗北の事実に求められないか、と考える。イエスの死がたんに歴史的事実過程であるのではなく、同時に、超越的原理過程を意味したと同じ意味で、太平洋戦争は、たんに年表上の歴史過程ではなく、われわれにとっての啓示の過程として把握されるのではないか。》p.34-35?


橋川氏があえて「太平洋戦争」と言ったところに副島氏の認識との通底を思う。こう書いていた。


《橋川氏は「大東亜戦争」と言わずして「太平洋戦争」と言う。長谷川氏はそれに批判的であるが、私はそこに、橋川氏の「あえて」を見る。橋川氏がイエスを持ち出したとき、日本の内的必然を超えたところの普遍を求めていたにちがいない。長谷川氏の言う如く、橋川氏はそれを見出すことができぬまま世を去った。長谷川氏はその衣鉢を継ぐべく『神やぶれたまはず』の著に挑んだ。》

 

イエスは死によってキリストとして復活した。日本は敗戦によって何たり得るか。負けっぱなしということではないはずだ。 

 

以下参照記事。


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終戦の日;天皇陛下「深い反省」

http://jp.sputniknews.com/japan/20150815/750941.html08

20150815日?22:12


70回目の終戦記念日の15日、政府主催の全国戦没者追悼式が東京都千代田区の日本武道館で正午前から開かれ、天皇、皇后両陛下や遺族ら約7000人が参列した。/安倍晋三首相は式辞で「戦争の惨禍を決して繰り返さない」と不戦を誓った。天皇陛下は、おことばで「さきの大戦に対する深い反省」に戦没者追悼式で初めて言及された。/?安倍首相は、歴代首相が言及してきたアジア諸国の戦争犠牲者への加害責任や「哀悼の意」「深い反省」には一昨年、昨年に続いて触れず、世界の国や地域の繁栄のために歩んできた戦後日本の姿を強調。「今を生きる世代、明日を生きる世代のために、国の未来を切り開いていく」と述べた。/NHKが伝えたところによれば、全国戦没者追悼式での天皇陛下のおことばは、昭和天皇の時のおことばの骨子も踏まえ、即位以来、基本的な内容は毎年踏襲されてきました。この中で天皇陛下は、戦争の犠牲者を悼み遺族に思いを寄せるとともに、世界の平和と日本の発展を願う気持ちを表されてきました。/戦後50年を迎えた平成7年には、結びの一文に「歴史を顧み、戦争の惨禍が再び繰り返されぬことを切に願い」ということばが加えられました。/その後は、おことばの内容に大きな変わりは見られず、平成13年以降は毎年同じおことばが続いてきました。そして、戦後70年を迎えたことし、天皇陛下は14年ぶりにおことばをかえ、戦後の日本の歩みを振り返る部分に、多くのことばを足されました。/まず、今日の平和と繁栄を支えたものとして「国民のたゆみない努力」に加え、新たに「平和の存続を切望する国民の意識」という表現を用いられました。そのうえで、例年、「苦難に満ちた往時をしのぶとき、感慨は今なお尽きることがありません」としていた部分を「戦後という、この長い期間における国民の尊い歩みに思いを致すとき、感慨は誠に尽きることがありません」と言いかえられました。/さらに、戦没者を追悼し平和を願う結びの一文に、「さきの大戦に対する深い反省と共に」ということばを加えられました。戦没者追悼式での天皇陛下のおことばがこれだけ変わるのも、「反省」ということばが盛り込まれたのも、今回が初めてのことです。

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ソ連の対日参戦は米国がしつこく頼んだから

http://jp.sputniknews.com/politics/20150815/749710.html08html記念特集:ソ連の対日参戦は?Photo/ Wong

20150815日?19:19

815日、南北両朝鮮は、日本の占領統治から朝鮮半島が解放されて70年となることを祝う。この日は旧ソ連の全ての人民にとっても特別な日である。19458月時点でソ連は対独戦でぼろぼろになり、幾多の戦闘で何百万という若者を失っていたが、それでも同盟国としての義務に忠実であり、最後に残った枢軸国・大日本帝国を撃滅するための新たな戦いに赴き、ついに極東の人民に待望の自由をもたらした。/関東軍との戦いで様々な民族からなる大勢のソビエト市民が死亡したが、その死は無意味ではなかった。激しい満州攻勢によって日本側の主力を粉砕し、その戦意を完全に喪失させ、朝鮮解放に決定的な貢献を果たした。我々民族間の伝統的友好関係の基礎を築いたのは今日なお鮮やかなこうした記憶なのである。/しかしその後の朝鮮分断と冷戦によって、ある種のステレオタイプがうまれ、歴史的歪曲さえ行われた。大戦中、ソ連が自ら背負った重い任務が無視されるようになった。朝鮮半島解放に対するソ連の貢献をめぐる「神話」と「実情」について、ロシア科学アカデミー極東研究所朝鮮研究センターのアレクサンドル・ジェビン代表にインタビューを行った。/「米軍が朝鮮半島南部に上陸したのは194598日だ。既に日本は無条件降伏を認め、文書に調印していた。にもかかわらず、今、韓国を含む一連の国々で、日本軍撃破・朝鮮半島解放・第二次世界大戦終結におけるソ連の役割をおとしめることを目指した、歴史的事実の意図的改竄がまかりとおっている。プロパガンダが創り出した神話である。それによれば、ソ連は米国による広島・長崎原爆に便乗し、日本を降伏させ、極東というパイの切り分けに参加しようとした。このようなでっち上げは歴史的事実を示すことにより容易に反証される。ソ連が極東で参戦したのは、連合諸国、特に米国から再三の要請があったからなのである」。/周知のように、第二次世界大戦末期、米国は、ソ連の参戦がなければ対日戦勝の対価はあまりにも高いものになる、と考えていた、とジェビン氏。/「もし日本が満州および朝鮮に展開していた精鋭らを引き上げさせていれば、戦争はあと1年長引いたかも知れなかった。そうなれば米国も、日本上陸後、何百万という犠牲を出したかも知れなかった。そうならないように、日本撃破にソ連が協力してくれることが、米国には必要だったのだ。他ならぬこの同盟諸国の懇請により、ポツダム宣言には、欧州で戦争が終結したのち2-3か月後にソ連が対日参戦する、と記されたのだ。周知のように、欧州における戦勝は59日だ。それからちょうど3か月後にソ連は同盟国としての義務を果たした。それ以外の何の動機もない。こうした事実はすべて、ヤルタおよびポツダムにおける同盟諸国会議で合意された国際文書に明記されている。これ以外の説明は歴史的根拠を一切持たない捏造にほかならない」。

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◎小林よしのり氏が斬る! 日本の進路を誤らせる「エセ保守」の深刻


http://www.asyura2.com/15/senkyo190/msg/664.html


投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 8 月 15 日 10:03:06


中国、韓国との間に立ちはだかるのが、歴史認識問題だ。歴史認識を巡る相克を乗り越えるには、どうしたらいいのか。言論界でも活躍する漫画家の小林よしのり氏が、現在の日本人が持つ思想的背景にはどんな歴史観が根付いているのか、また日本人はこれからどんな国家観を持つべきかを聞いた。(インタビュー・構成/『週刊ダイヤモンド』論説委員原 英次郎)

小林よしのり氏が斬る! 日本の進路を誤らせる「エセ保守」の深刻

http://diamond.jp/articles/-/76641

2015年8月15日 週刊ダイヤモンド編集部

■1970年代に入ると日本に「加害者史観」が出てきた

――小林さんは日本人の歴史認識について、どう捉えていますか。

わしが物心ついたときは、まだ戦争体験者が生きていた。テレビで見た『怪傑ハリマオ』のオープニングは、欧米人がアジア人を奴隷のようにムチ打って働かせているところに、ハリマオが拳銃を撃って欧米人をやっつけるところから始まる。

『0戦はやと』『ゼロ戦レッド』などの戦争漫画があったり、戦艦大和がグラビアになったりと、戦争体験者が大人になって物づくりをしていた頃だったので、戦争の感覚がテレビや漫画にあった。戦争に対する罪悪感がなかった。その後、原爆とか戦争被害者という部分が強調されるようになり、「戦争はよくない」と唱える声が増えて行った。

1970年代くらいになると、本田勝一の『中国の旅』などの影響で、日本人がどれだけ残酷なことをしたかという「加害者史観」が出てきた。人間の残虐さがどこまでやれるのか、のぞき見主義も手伝って、事実かどうか検証できない話もあるのに、世間はそうした加害者史観をすぐに丸ごと信じてしまった。

「こんなに好戦的な漫画を載せていいのか」とPTAが怒り始め、冒険活劇モノとしての戦争漫画がなくなって行った。代わりに、ガンダム、エヴァンゲリオンなどのロボット漫画に移行し、戦争に対する現実感は失われていった。戦争を扱ったドラマや映画はつくられても、「戦争は悲惨だ」「暗くて見る気がしない」という時代になり、子どもや若い人たちはどんどん戦争から遠ざかっていった。

――小林さんはいわゆる「自虐史観」に批判的でしたが、最近は右翼的なものにも批判的ですね。

わしが1990年代に『戦争論』を描いたころは、「自虐史観」「加害者史観」が世の主流だった。加害者史観が徹底的にエスカレートしていって、慰安婦問題なども出てくる。慰安婦を強制連行したという吉田清治の話は、まったくフィクションなのに、歴史の教科書に載りそうだというので、それはおかしいと、わしも「新しい歴史教科書をつくる会」の創設メンバーに参加した。

当時は、すでに自虐史観が浸透し切っていたから、若い人は戦争に行った自分の祖父たちに、「中国で虐殺してきたんだ」「なんて悪い人なんだ」と軽蔑感が芽生え、尊敬しない。祖父たちも、自分がどんな目で見られるかわからないから戦争の話ができない。世代が完全に分断されていた。

そこで『戦争論』を読むと、若い人たちはものすごく生々しく感じ、戦争を戦った日本軍の感覚にショックを受ける。「自分のじいちゃんは悪い奴じゃなかったんじゃないの」ということで、初めて祖父の戦争体験を聞こうという気持ちになり、両方の世代からどんどん感謝の手紙が寄せられた。

子どもの世代からは、「祖父が大嫌いで話も聞きたくなかったが、祖父の言うことが分かるようになった」という声が出た。また祖父母の世代からは、「漫画を読んだこともなかったのに、初めて『戦争論』で漫画を読んで、こんなこと描いてくれる人がいるのか、と感激した」という声が出た。つまり、両方の世代を繋げちゃったんだ。

■自虐史観を葬ったと思ったら今度は「エセ保守」が出て来た

自虐史観を一応は葬ったけれども、今度はそこからネットの時代が本格化する。たとえば、ネットの中の情報だけを集めた韓国を嫌う漫画が出てくる。在日朝鮮人に対する差別、排外主義が生まれてくる。自民党の議員までが、ネットで情報を仕入れるという状態になってくる。

つまり日本人というのは、船にたとえたら片方に寄ってしまう傾向がある。みんなが左舷に行ったので、沈没しないようにわしは右舷に行った。そうするとみんな右舷にやってきて、また傾いたので、今度はわしが「おかしいよ」と真中に行くと、右に行った奴がわしのことを左翼と呼ぶんだね。なかなか真ん中では止まらない。

ただ、社会が右傾化していると言っても、これ自体も本当は怪しい。実を言うと、国会で審議している安保法制も完全な「従米化」を意味している。アメリカに従うことが最大の目的。だから安保法制に正確なレッテルを貼ると、「戦争法案」ではなくて「従米法案」。もともとこの法案を夏までに通すとアメリカで約束してきた話で、これ自体が本当は国会を無視したとんでもない問題だ。

保守というのは、伝統と歴史を大切にする。伝統は歴史の中で先祖の知恵が集積され、醸成されて残ったバランス感覚だ。だから、歴史そのものを、知識として知らなければならない。歴史と伝統を損なったら保守ではない。

だから自民党の勉強会の場で、権力者が「俺たちに批判的な新聞は潰せ」と言ってしまうことは、バランス感覚を欠いた人たちで、憲法とは何か、立憲主義とは何かも知らない無知な政治家だ。我々国民の側は言論の自由を行使する「権利」を持っており、権力の側は言論の自由を守る「義務」を負っている。憲法の内容に不満があっても、立憲主義は絶対に守らなければならないもの。自民党はバランス感覚を失しており、政治は劣化している。

なぜ劣化したのかと言えば、ネットの影響がものすごく大きい。簡単に情報を仕入れて、何か知った気になる。ネットに載った情報を鵜呑みにして、安倍首相の秘書がネットに書いてあることをそのままフェイスブックに書いて、当事者から抗議されたこともあった。ネットに影響されているのは若い世代だけではなく、自民党議員も同じ。

ネットの情報は、嘘、インチキだらけなのに、確認もせずそのまま信じる人間がいる。沖縄の新聞を読んだこともないのに、「沖縄の新聞を潰せ」と言う。一部の人が劣化してオジサン的な暴言を吐くと思われているが、それは違う。いまや知識人から政権にいる政治家までもが、真偽が定かではないデタラメな情報によって、暴言を吐いているという状態だ。

■日中・日韓関係を何とかせよ 従米から脱し本当の主権回復を

――歴史認識を巡る中国、韓国との対立は、和解とはいかなくても、果たして何とかなるのでしょうか。

これ、絶対に何とかしなければいけない話で、最終的には戦争すればいいとう話ではない。商業的な観点で見て売れるからと言って、反中、反韓感情ばかりを煽る今の状態は全く健全ではない。

もちろん、韓国においても、中国においても、時の政権が生き残るために自国のナショナリズムを煽り、反日カードを自国内に向かって使う、つまり、国内の政治問題にするという側面はある。そうだとしても、韓国は日本に併合され、中国は日本に侵略されて、いたくプライドが傷ついているということも、同時に認めなければならない。

たとえば、イギリスのように自国から遠い場所にあるアフリカの現地に指導者を立てて、搾取する間接統治の方式ならば、それほど恨みが残らなかったと思う。ところが日本と中国、韓国は、近接した地域であり、文化もかなり入ってきたりして、お互いに影響しあってきた。そういう国を併合したり、侵略したりすると、近親憎悪的に恨みが残る。しかも日本は直接統治してしまったから、中国や韓国の人にとってみたら、より一層屈辱的に感じるだろう。

では、それをどう手当てするのかを考えると、ある意味、村山談話的な謝罪も仕方がないということを、そろそろ日本の保守の側も大人になって、考えないといけない。わしはそういう気がしている。だから、わしは今や村山談話にそんなに否定的ではなくなった。

■日本に真の外交主権はない 改憲して自衛隊を軍隊と認めよ

――小林さんがお考えになる、本当に独立した日本とは……。

外交主権を持つこと。だって「この戦争したくない」と言えなければどうしようもない。たとえば、安倍首相も自民党もいまだにイラク戦争を否定できない。わしはイラク戦争に反対と言い続けて、保守の側からバッシングされたが、これから先も同様なことはあり得る。「イラク戦争は間違っていました」と言うと、アメリカが間違ったことを命令してくることもあるという話になるから、そこを曖昧にしておきたいわけだ。

わしが言いたいのは、日本には本当の主権はないということで、ここが一番の問題。国家の体を成していない。自分で決められない。だから沖縄の基地の問題も解決できない。自分からお金を出して米軍基地を置いている国は、日本と韓国とクウェートしかない。フィリピンにしろ、他国はみな米国がお金を出して基地を置いている。

主権を回復するためには、自分の国は自分で守る。憲法を改正して、自衛隊は軍隊だと認める。そうしても、軍事費は言われているほどは増えない。沖縄に駐留している米軍に使っている思いやり予算が必要なくなるからだ。今のように自衛隊をあいまいな存在にしておく方が、国際法的にはよほど危ない。

国際法上、軍隊はネガティブ・リスト(原則として規制がない中で、例外として禁止すること)だ。たとえば「捕虜は虐待してはいけない」と決められているが、自衛隊は軍隊ではないから、捕虜として相手国に扱われるのか。また、自衛隊員が誤って民間人を殺してしまった場合、軍隊は敵を殺すことが認められているが、自衛隊には軍法会議がないため、国内法の殺人罪に問われる局面も出てくるのではないか。

自衛隊はポジティブ・リストでできることだけを書いていくので、ネガティブ・リストで動く米軍と一体になって戦場に行くのは無理がある。国際法上規定があやふやなままの状態でどんどん外に出て行くのは、自衛隊員にとっても危険すぎる。

ベトナム戦争でも、アフガン・イラク戦争でもアメリカは負けた。侵略して負けたわけだ。軍事大国が軍事小国に勝つことはない。軍事大国は、軍事力に経済をかけすぎて、疲弊していく。日本はそんなアメリカについて行かないように、憲法を改正して、「侵略戦争はしない」「外国の軍事基地は置かない」と憲法に書くべきだ。

実際に日本が戦争する可能性があるとしたら、北朝鮮しかない。中国とは外交でうまくやることに全力を注ぐ。基本的には竹島も尖閣もそこで意地を張り通すよりも、どこかで「棚上げ状態にできませんか」という提案をする。共同開発とか共同観光地とか、国家という枠組みを非常に曖昧にするような解決方法を探る。そういう外交的な発想があってもいいではないか。

安保法案の議論の際、昔とは国際安全環境が変わったと強調されていたが、それは恐怖を煽ってでっち上げているプロパガンダだ。スプラトリー諸島に中国が軍島をつくっているのは、フィリピン、インドネシア、ベトナムなど東南アジアの国々にしてみれば脅威だが、日本の存立危機にはつながらない。シーレーンのことを持ち出す人もいるが、万が一シーレーンが封鎖されたらそれは宣戦布告に当たる。

■そもそも中国にとって日本と戦争をするメリットはない

果たして、そこまでのことを中国はやるのか?そもそも日本と戦争をするメリットがない。日本は東南アジアの国と中国への共同監視体制をとればいい。日本の存立危機と関係ないところで集団的自衛権を行使して攻撃したら、それこそ戦争だ。

また、中国や北朝鮮が核兵器を保有しているから、日本も核武装して抑止力を持った方がいいのではないかという意見もある。北朝鮮に対しては抑止力になるかもしれないが、中国に対しては抑止力にならない。日本人は、冷戦時代から核の脅威という緊張感の中でずっと耐えて生きてきた。核を持たずとも、国民全員が「絶対に侵略は許さない」と思っているだけでいい。これが最大の抑止力になる。

――小林さんのお話は、自民党の右翼の人から見るとすごく左翼的に聞こえそうですが、小林さんは左翼とはどう違うのですか?

自衛隊を軍隊にすると言っているところが、一番違う。軍隊にして日本に主権を取り戻す。左翼の人たちが言っているのは、日米安保を前提にした平和主義であって、米国依存。安保反対と主張しても、安保が破棄されることがない前提で、沖縄の基地に反対する。保守も左翼も親に守ってもらっているニートみたいなものだ。親が見えているか、見えてないかの差ではないか。

あくまでも自国は自国の軍隊で守るのが基本。日本が米国から主権を取り戻し自立した上で、部分的に安保を結ぶのであればいいが、今のように米国に依存し切って言いなりになっている日本は「奴隷国家」であって、真の独立国ではない。米国が日本の自立を認めないのならば、世界に訴えればいい。日本は、正当なことを言い続けなければならない。

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敗戦後70年の終戦記念日に合わせて

http://www.snsi.jp/bbs/page/1/投稿者:副島隆彦 投稿日:2015-08-15 19:30:05

 


副島隆彦です。 今日は、2015年8月15日です。

 


 暑いので、昼間も仕事をしていると、つい、ぼーっとなって眠たくなります。 夏の午睡(ごすい)は体にいいから、夜の眠りの他にきちんと取ったほうがいい、と 、この歳(とし)で改めて思います。

 今日が終戦記念日(敗戦後70年、ポツダム宣言受諾の日。連合国からみれば、対(たい)日本戦争のV-day ヴィクトリー・デイ) で、慰霊祭が各地であった。




 天皇のお言葉があって、天皇・皇后からの強い 「世界を敵に回すようなことはやめなさい」という 安倍晋三への怒りがあって、それに安倍晋三が怯(ひる)んで、遠慮した、という話はここには書きません。

 昨日14日 の、安部首相の 全身ふて腐(くさ)れた感じの「侵略、謝罪、お詫び」の談話か声明文が 午後の6時の閣議のあとの官邸の記者会見場であった。 相当に圧力が、 勝利国である 連合国側=連合諸国 (ザ・ユナイテッド・ネイションズ) から、安倍に掛かったのだろう。


 国際法(インターナショナル・ラー)である サンフランシスコ講和条約の条文をずっと読んでいると、安倍が、勝手に、自分(たち)の主観で、連合諸国(ザ・ユナイテッド・ネイションズ)、これが、そのまま、戦後の=現在の世界の秩序=支配体制であって、これが、The
U.N.(
 ザ・ユーエヌ、連合諸国
× 国連 と訳すな )を作っているのだから、これに逆らう行動、と発言は、許されない、ことが分かる。




 安倍晋三程度の知能の低い人間(たち)でも、 「外国がうるさいなあ。いつまで謝罪を続けるんだよ―」と 言うことは出来ない。 安倍たち、日本のチンコロ右翼(おそらく500万人ぐらいいる)たちが、「ヤルタ=ポツダム体制の打破」、「戦後レジームからの脱却」を言うと、世界=国際社会=ザ・ユーエヌが、許さない。


 

 そして、このザ・ユーエヌ(ユナイテッド・ネイションズ)とは、五大常任理事国(ごだいじょうにんりじこく)と日本語では訳される、ザ・ファイヴ・パーマネント・メンバーズである、 米、英、フランス、ロシア、中国 の 5大国である。 “世界のお役人さま”である。




 この 5大国の合意事項に逆らうと、 軍隊による戦争行為ではなくて、 国際的な 警察(けいさつ)行動である、 PKO(ピース・キーピング・オペレーション)の対象になる。強制執行(フォース・メジュール)の対象になるのだ。 ザ・ユーエヌは、当事者となって戦争をするはない。警察行動をするのだ。警察行動の方が、国々の軍隊行動(軍事力の行使)よりも一段上である。このことは、私が、佐藤優(さとうまさる)氏と書いた「崩れゆく世界 生き延びる知恵」(日本文芸社、2015年4月刊)に書いた。しっかり勉強して下さい。




 私、副島隆彦は、このことをずっと書いてきた。私の本をしっかり読む人たちは知っている。


 日本のチンコロ右翼 (その中心部分は、今や、従業員もほとんどいないような、チビコロ経営者たち) は、こういう きちんとした知識がないので、安倍晋三の 低能 と 完全に気持ちが繋(つな)がっているので、「世界がウルセーんだよ。 いつまで謝り続ければいいんだよ」 という 反発心となって現れる。今も、この感じは続いている。それに対して、中国と韓国を始めとして、アジア諸国が、日本に訝(いぶか)しい表情をする。




 チンコロ右翼たちは、自分たちが、日本国内は抑えきっていると思っている。いつも自分は、管理する側、保守の側、体制の側、と脳のてっぺんから決めている者たちが、右翼っぽい公務員や警察官を含めて、「自分はいつも勝ち組」の精神構造(メンタリティ)で動く。


 そして彼らは、自分たち、2次元(平面)世界のレベルしか知能がないので、3次元の外側世界から、殴り付けられると、わけが分からなくなって、一体、どういう 力が自分たちに掛かっているかが、分からない。


 このチンコロ右翼経営者層は、小学校、中学校時代から頭が悪かったので、学校の勉強があまりにも出来なかったので、教師たちに虐(いじ)められたので  それで、「おい、日教組。はやく答弁しよろ」の 安倍晋三の 本音の発言どおり、日教組(にっきょうそ、日本教職員(きょうしょくいん)組合 )の悪口を死ぬほど言い続ける。


 彼らを虐めたのは、教育行政をやっている、出世組の役人化した教員たちから成る、教育委員会なのであって、日教組ではない。 このことを、私、副島隆彦が、このチンコロ右翼たちと安倍晋三に教えて置かなければならない、と思ってこのように書く。私が、こうしてはっきりと書いて教えておかないと、この低能たちは、自分たちのミジメ(惨め)だった学校時代の、不良生徒だった過去を忘れて、いい気になって、まるで、自分たちが、一家言(いっかげん)ある見識の有る人間であるかのように思い込んでいるから、彼らに、しつこく書いて教えておく。


 同じ企業経営者であっても、社員(従業員)を50人、100人抱えて苦労して、必死に陣頭にたって経営をしている者たちは、絶対に、ヘラヘラした、政治的発言などできない。しない。




 保守(ほしゅ)と右翼(うよく)は違うのだ。 本物の保守の経営者・資産家 と、チンコロ右翼は違うのだ。 チンコロ右翼たちが、いい気になって、「安倍ちゃん。頑張ってくれよ―。あの態度の悪いチャンコロ(中国人)、朝鮮人を、もっと傷(いた)めつけてくよ」 という、あの愚かな態度を、本当の保守の経営者・資産家たちは取らない。  本物の保守(コンサーヴァティヴ)の人間は、常に穏(おだ)やかである。何があっても激高(げきこう)することがない。常に穏やかに、人と接して、問題を我慢強く解決してゆく。ものごとを多方向からじっくりと考える。決してカッとならない。だから、安易に政治的な発言などしない。それが、本当の保守というものだ。




 それに対して、高校時代に 頭にカミソリのソリを入れたような、不良上がりか、「僕たちは、ずっと地元の名士で、青年会議所と ロータリー会員の家で育って、勉強は出来なかったけど、経営者一族なの」という ボンクラ3代目のような連中が、チンコロ右翼だ。




 この者たちは、勉強は出来なかったくせに、コソコソと金儲けだけはうまい。だから自分の分の資産を2億円ぐらいはちゃんと隠し持っていて、会社(法人)は、不景気ですでに潰(つぶ)してしまって、それで、浮世(うきよ)の憂さ晴らしで、「チャンコロ、チョーセンジンがうるせえ」を毎日、言っている。そうすると、自分が何だがとっても偉い人のように思えるらしい。


 仲間も大勢いてくれるから、毎日、この大合唱だ。それで、産経新聞( 今や、ほとんど潰れかかっている)と夕刊フジの 「朴槿恵(パク・クネ)、この女、許せねえー」を読んで、溜飲(りゅういん)を下げている。 救(すく)い難(がた)い連中だ。


 こういうのが、日本には500万人もいるから、ひとつの勢力だから、安倍晋三が辞めても、この勢力は残る。厳然として残る。私は、いつもこのことを心配している。 そして、創価学会までも、下部のおばちゃんたち(婦人部)の方から、特殊な別の宗教団体が、乗っ取ってゆかないかを、いつも心配している。


  勝共(しょうきょう)右翼である きわめて特殊な宗教団体は、すでに警察官、自衛隊、外務省、裁判官、財務官僚たちの中にも、いまでは、相当数が潜り込んで 根草(ねぐさ)忍者のように潜んでいるから、この者たちの存在が恐ろしいのだ。彼らは、確実に日本を戦争に引き釣(づ)り込む。私は、そのように確信している。彼らは、前述したチンコロ右翼(ネトウヨという軽度の精神障害者たちを含む)を隠(かく)れ蓑(みの)にして、その中で動いている。

 だから、安保法制 反対 の国会前の集会とかには、私たちは、十分に気をつけて徹底的に慎重になるべきだ。よっぽどのしっかりした主催者団体が開催するものでなければ、容易に近寄ってはいけない。あそこは、そこらじゅうがばい菌だらけなのだ。人間のバイキンの海だ。 おそらく特殊な宗教団体が、2割は入り込んでいる。

 それから、かつての極左過激派団体の残党たちが蠢(うごめ)いている。 それから公安警察官(政治警察、警備=けいび=課に所属する)たちが、5%ぐらい入り込んでいる。


 純粋な若者たちで、まだ世の中を知らない、生来、頭のいい、賢い人間で、優れた見識をもって、安倍晋三たちの安保法制の軒並み20本の法律の改正と可決(9月27日が衆議院の会期末)に反対する人たちは、十分に気をつけなければいけない。


 

 この世には、たくさんばい菌が居て、自分たちを騙(だま)してくるのだ、と厳しく、早めに自覚するべきだ。 妙に年をとった、自分のうまくゆかなかった怨念(おんねん)を 政治発言で、昇華(しょうか)させ、自分は立派な人間だ、とまわりに示したいだけの、精神が荒廃して崩れ果てた年配者たちには、近づいてはいけない。 

 そういう人たちは、ドストエフスキーが描いた『悪霊(あくりょう)』たちなのだ。政治的な怨念を背負った 悪魔たちだ。このことを真面目で多感な 若い人たちに忠言、助言 しておきます。




 私、副島隆彦の目が黒いうちは、彼ら恐るべき、各種の悪霊たちの正体を、逐一、見抜いて、教えます。だから、いまのところは、静かにして私の言うことを聞いてください。じっと世の中の動きを見ていてください。そして、自分の生活を大事にして、少しでも楽しく、そして自分の将来への投資となることをコツコツと学んでください。




 どうせ、チンコロ右翼の低能たちは、本を読みませんから、本を読んでください。 とりわけ私、副島隆彦の本を読んでください。 私は、「大きな枠組(わくぐ)みの中の真実」しか書きません。私は、読者を騙(だま)すことをしません。


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めい

日本の現状に対する極めて適切なアドバイスに思えました。
《日本の新しい世代の政治家達は、自主的な対外政策とは一体何かについて想像する能力さえ失ってしまった》
《安倍首相について言えば、彼がしがみついている政策は、互いに調和し難い二つの路線に分かれている。》
《米国が世界中でグローバルな政治的安全保障を確保できるなどと考えるのは、まったく可笑しい》
《ウォルフレン氏は、日本が、現在世界が直面している大きな変化に対応する能力に欠けるがゆえに損失を蒙るのではないかとの見方を示している。》
《「長期的には日本は、もし米国の全面的覇権の達成計画に引きずられるがままであれば、自分の身にさらに不快な事態を招くリスクを犯すだろう。」》

   *   *   *   *   *

不平等な日米関係 独立の日はいつ来るのか?
http://jp.sputniknews.com/japan/20150817/755253.html
© Sputnik/ RIA Novosti
2015年08月17日 00:18(アップデート 2015年08月17日 00:44)

オランダの社会政治評論家カレル·ヴァン·ウォルフレン氏は、自身の論文の中で「日本が戦後手にした最も重要な負の遺産は、真の独立国家としての地位を取り戻せなかったことだ」と指摘した。

以下、氏の論文の内容を抜粋して御紹介したい。

「終戦からしばらくの時期、吉田茂及び岸信介両首相は『日本が米国に暗黙のうちに従属するのは、一時的なものだと覚悟し、国力を蓄えたら、そうした関係を捨て去ることができるだろう』と考えていた。しかし彼らの後に続いて、首相の座に就いた人達は、そうした事を思い起こすのをもう止めてしまった。日本の新しい世代の政治家達は、自主的な対外政策とは一体何かについて想像する能力さえ失ってしまったのだ。

しかしその中で、突破口を開く事を運命づけられた政治家も確かにいた。例えば鳩山(由紀夫)政権は、中国との善隣関係確立を目指すと表明したが、すぐに米国政府に罰せられてしまった。

鳩山氏が、日米共同で地域問題解決に向けた新しいアプローチを作成できるよう、選ばれたばかりのオバマ大統領に会おうとした時の、ホワイトハウスと米国務省は、日本の首相と会う時間を割かなかった。民主党のリーダーだった鳩山氏は、少なくとも三度、会談を要請したが、毎回、それはひどく外交慣例に反するやり方で拒絶されている。米国は、そうしたやり方で、鳩山民主党政権の改革路線に自分達が反対である事を示したのだろう。

とはいえ『米国に忠実な政治家達』も、必ずしも好意を持って受け入れられるわけではない。 自由民主党の安倍晋三氏が政権の座についた時、彼はまずロシアと中国を訪れる可能性があった。彼には、クリルや尖閣諸島の領土問題を、首脳同士の非公開会談で調整できるかもしれない良いチャンスがあったからだ。しかし安倍氏は、伝統に従いホワイトハウスで米国大統領に会見してもらう事を、まず最初に選んだ。彼はそれを強く望んだ。なぜなら、もし問題が中国との現実的な攻撃の応酬にまで発展した場合、彼は、米国が自分達の安全を守ってくれるはずだとの確信を得たかったからである。

けれどワシントンは、自分のやり方で行動し、オバマ大統領のスケジュールに空きがないと説明して、安倍氏に順番待ちの列に並ぶよう命じ、数カ月待たせたのだった。

米港政府は、一方で日本を、太平洋西岸地域で米国が覇権を目指す戦いにおける道具とみなしながら、他方では、日本国内の雰囲気が、1930年代の軍国主義時代に戻らないよう注意深く監視する特別警察官の役割を演じたいと望んでいる。

安倍首相について言えば、彼がしがみついている政策は、互いに調和し難い二つの路線に分かれている。

おそらく彼は、何よりも、右翼の幻想の中だけに存在するような日本を再生したいと願っている。そこでの生活は調和的に営まれ、若者は礼儀正しく、皆が祖国への愛を示さねばならない。同時に彼は、国の自衛力に関する法律を強化し、憲法を見直し、マスコミに対する監視を厳しくする事で、ワシントンを喜ばせたいと欲している。」

ウォルフレン氏は、日本は世界にとどろいた奇跡の経済成長も米国なしでは達成できなかったはずだと認めている。ウォルフレン氏は、だがもはや、忠誠的な立場をとりつづけても、それは何の功も奏さないと指摘する。米国の擁護は理論上だけのことであり、グローバル経済も政治情勢もラディカルな変化を遂げてしまったからだ。

「私が日本の有名な政治家、数人と話したところ、彼らは米国が一連のメタモルフォーゼを経過してしまったこと、米国の行う、『全面的な覇権』に照準を当てた、あまり筋の通っていない政策は、将来性のある戦略にはそぐわないことを理解していた。米国が世界中でグローバルな政治的安全保障を確保できるなどと考えるのは、まったく可笑しい。」

ウォルフレン氏は、日本が、現在世界が直面している大きな変化に対応する能力に欠けるがゆえに損失を蒙るのではないかとの見方を示している。それは北朝鮮の敵意は「冷戦」の続きではなく、別の政治的現実であり、全く新たな外交アプローチを必要とするものだからというのがウォルフレン氏の見解だ。
「沖縄の米軍駐留は日本の防衛のためではない。彼らは攻撃力として機能しているのであり、中東、中央アジアに派遣しうる軍事力だ。厳しい言い方をすれば、沖縄駐留米軍は、米軍の基地使用は日本防衛のためだけであるという日米の平和条約に違反して、あの場所に駐屯しているのだ。

もし北朝鮮との問題が発生すれば、これと最初に突き当たるのは韓国と中国だ。仮に日本が北朝鮮の仮想的な脅威を真剣に受け止めているのであれば、北朝鮮との外交深化に取り組まねばならない。」

ウォルフレン氏は、シベリアを通り、中国の沿岸都市と欧州の港を直で結ぶ高速鉄道の建設など、ユーラシアのインフラに広範な変化が起きることによって、近い将来、日本はチャンスを逸する恐れがあると指摘する。(こうした鉄道は史上かつてない貨物量を誇る交易ルートになることは間違いない。)

「長期的には日本は、もし米国の全面的覇権の達成計画に引きずられるがままであれば、自分の身にさらに不快な事態を招くリスクを犯すだろう。」

記事の筆者:カレル・ヴァン・ウォルフレン(Karel van Wolferen)氏。

カレル・ヴァン・ウォルフレン氏、オランダ人ジャーナリスト。日本関連の著書は20冊以上に上る。なかでも『日本/権力構造の謎(原題はThe Enigma of Japanese Power)』はベストセラー。

引用文典:http://www.japantimes.co.jp/news/2015/08/15/national/history/dependence-day-japans-lopsided-relationship-washington/

by めい (2015-08-17 03:02) 

めい

安倍談話とは
《道を誤り、アメリカ主導の国際秩序の挑戦者となった日本が、敗北し許され、今やアメリカに従い「積極的平和主義」を掲げ国際秩序を支える、という「物語」。》!!
上記ウォルフレン氏の論にしっかり耳を傾けてほしいです、安倍さんよ。

   *   *   *   *   *

「村山談話と安倍談話の根本的な違いは、実はかなり簡単に説明できます:中野晃一氏」
http://www.asyura2.com/15/senkyo190/msg/763.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 8 月 16 日 23:15:05: igsppGRN/E9PQ

「村山談話と安倍談話の根本的な違いは、実はかなり簡単に説明できます:中野晃一氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/18117.html
2015/8/17 晴耕雨読
https://twitter.com/knakano1970

安倍談話発表の直前に、外務省のウェブサイトから歴史問題に関するページが削除されていたことがわかった。 http://t.co/6yHru1VY2d #FNN

>Richard Smart Japan's foreign ministry deletes page explaining apologies for WWII actions.

村山談話と安倍談話の根本的な違いは、実はかなり簡単に説明できます。

それは、村山談話が主として中韓をはじめとしたアジア諸国に対して出されたものであったのに対して、安倍談話がアメリカに向けて出されたものだということです。

安倍談話の構造は、米国議会演説で用いられたものと全く同じで「生まれ変わった(born-again)罪人」に日本をなぞらえるもの。

道を誤り、アメリカ主導の国際秩序の挑戦者となった日本が、敗北し許され、今やアメリカに従い「積極的平和主義」を掲げ国際秩序を支える、という「物語」。

ここでの「罪」が、植民地支配や侵略そのものではなく、アメリカに刃向かったことであることがキモとなっているわけです。

だから、中韓をはじめとしたアジア諸国に対する植民地支配や侵略戦争の責任や謝罪という観点から見ると、安倍談話は村山談話から大幅に後退した無残なものとなっていますが、アメリカの政策関係者が喜ぶような「物語」としてはなかなか完成度の高いものとなっています。

それもそのはず、村山談話の下書きをしたのは谷野作太郎ら外務省アジア畑の系譜でしたが、今回安倍談話の有識者懇談会はアメリカ通ばかりで中国研究者はただ一人、韓国研究者はゼロでした。

安倍談話の下書きもワシントン直結の人脈でした。

はっきり言えばこういうことです。

安倍談話は、安倍が安保法制整備強行、TPP推進、辺野古移設強行、AIIB見送りなど、アメリカに尽くしに尽くすことのバーターとして許された範囲内の歴史修正主義の産物であり、アジア諸国との和解は一切念頭にないということです。

ここ20年間で、日本の外交安保が完全に対米追随一本槍に先細ってしまったことを示しているわけです。

by めい (2015-08-17 03:16) 

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