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第27回農村文化ゼミナール「人を神に祀ること」(1) [上杉鷹山]

07-DSCF1928.JPG遠藤宏三氏

08-DSCF1931.JPG佐野賢治神奈川大学教授

09-DSCF1932.JPG川田順造東京外語大名誉教授

 

8月2日午後一時から、伝国の杜2階会議室で農村文化ゼミナール。今年で27回となるこのゼミナールは、遠藤宏三氏(元米沢市議)のお父さんが米沢市六郷に民具等を蒐集してつくった農村文化研究所置賜民俗資料館を、昭和45年当時東京教育大学の学生だった佐野賢治現神奈川大学教授が訪れたことに始まるという。その後、レヴィストロースの紹介者としても著名な文化人類学者川田順造東京外語大名誉教授がしばしば置賜に足を向けられ、「〈もの〉語り―もの・モノ・物が伝える世界」をテーマにした平成15年の第16回ゼミナールでは、昔話を記録・保存・伝承するとはどういうことか」の題で基調講演されている。この時は武田正先生もパネラーとして登場しておられる。私が遠藤氏に誘われて参加するようになったのはその後(翌年?)のことだ。その懇親会が終って遠藤宅で川田教授と親しく話す機会があり、メルローポンティの話をしたことから、川田先生が上杉鷹山公についてフランス語で紹介されたフランス語の論文をいただいた。いまその論文を探していて、川田先生が講師をされた平成222月に米沢市制120周年記念特別文化講演会のレジュメを見つけた。『グローバル化の中で、地域おこしを考える―米沢・置賜地域を中心に―』とある。すこやかセンター二階大会議室が超満員だった。川田論文の鷹山公、草木塔に関わるところをアップしておきますので、フランス語のできる方、訳していただけたらありがたいです。ご希望あればA421ページ全文お送りします。

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さて今回のテーマは『人を神に祀ること』。川田先生の基調講演は「人を神に祀る風習 日本のアイデンティティーを考える手がかりとして」。そのあとパネルディスカッション。パネラーは、及川祥平成城大学民俗学研究所研究員、角屋由美子上杉博物館学芸員、星寛治高畠町有機農業研究会員で、それぞれ「偉人と神ー近現代の顕彰と神格化」、「神になった上杉謙信と鷹山」、「義民 高梨利右衛門のことども」。

 

角屋さんの発言を紹介したい。

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まず導入として、前の及川先生が武田信玄に焦点を合わせて神格化の問題を論じられたのを受けて、


《私自身の感覚として、武田信玄や武田家に対して米沢の人たちが敵愾心を持っているようには思えない。というのも、信玄の次男が米沢藩で江戸時代を生き、その墓が林泉寺にあることを地元の人たちは知っていますし、また武田家が存続しなかったということで、武田の家臣の多くが上杉藩に就職したということもございます。坂田釆女という人の甲冑がありますが、川中島の戦いで坂田釆女は武田方で戦っていたのに、江戸時代に描かれた「川中島合戦図」には上杉方の武将になっているなど、上杉と武田は意外と融合しているんではないかと思われます。


もうひとつ、上杉側は、越後から移封されて会津120万石の大大名にになったものの、その後関ケ原に敗れて30万石になり、さらに跡継ぎ問題がうまくゆかなくて15万石へとすごく小さくなってゆくという苦労があるのですが、家が続いたということはすごく大きいことだと思われます。そのことによって残った文化財、遺品もありますし、そういう中でそこに暮らした人の意識の中でなぜ謙信が、鷹山が神になったのか。神社として祀られたのは近代になってからですが、その過程について今日は考えていただきたいと思います。


この施設ができたのが平成13年で、それから13年になりますが、旧博物館時代から上杉鷹山の展覧会を3回やりました。神社の中にあった旧博物館で最初にやったとき、当時の社会教育課長から「鷹山公を人としてあつかってはいけない、鷹山公は神さまなんだ」という指導をされました。私が20代で学芸員になりたてのころだったのですが、私は歴史を学んでおりますので、「歴史上の人物として扱わして欲しい」とお願いしたわけですが、表紙には「鷹山公」と記すように言われました。2回目の時は、歴史と人々の思いは別に扱うべきだということが少しずつ地元の方々にも広まっていったことで、「上杉鷹山改革の道」というテーマでした。その時は電話で何人かの方から「呼び捨てにしていいのか」というクレームが入ったのですが、一昨年の「上杉鷹山 財政改革」という展覧会をやったときには、いろいろ言われたのかもしれませんが、私のところには何も入ってきませんでした。というわけで、最近は歴史学と殿様への思いとを分けて考えられるようになったのかなと思ったところでした。ということを前置きにして、本題に入りたいと思います。(つづく)


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