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兼続の妹の夫、金山城主色部光長と保呂羽神社 [直江兼続]

「南陽『天地人』絵巻」、ともかくスタートはしたもののまだまだやらなければなりません。7/4を皮切りに、毎週土曜日午前10時半から「絵解きウォーク」をやることになりました。最終の11/14まで20回やることになります。粡町通りの突き当たりにある琴平会館を集合場所にして、そこで「直江兼続公と南陽」のスライドをみていただき、そのあと絵巻の説明を聞きながら通りを歩いていただきます。所要時間はやってみないとわからないけど1時間から1時間30分ぐらい。7/4まで残りの絵巻どこまでできるか。材料作りは終わったので、EMAKI-PROJECTの若い衆の力にかかっています。

材料作りでいちばん手間取ってしまったのが「色部」関連記事づくりでした。というのも、金山地区が公民館を中心に盛上りだしているのに加えて、手元での思いがけない大発見があったからです。以前から秩入りの手書の古文書「越国武鑑記」全六巻があるのはわかっていて、亡くなったおやじがいつだったか米沢の図書館だかに持ち込んだのだけれど相手にしてもらえずがっかりしてどこかにしまいこんでいたのが、数日前ひょっこり出てきたのです。比較的読みやすいカタカナ混じりの楷書で書いてあるので拾い見して最後のところを見ていたら、なんとそれが色部修理進長実(光長の父)についての記事だったのです。その内容も入れて書いたのが次の文章です。

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 兼続の実母の実家である尾崎家は宮内にとどまること約半年、重誉は福島城主として福島へ移り、以後宮沢城は廃城となります。そして慶長三年(一五九八)九月金山城主としてこの地に入ったのが、越後平林城主色部光長です。

 色部氏は桓武平氏秩父氏の流れを汲む越後の氏族です。光長の祖父勝長は謙信公の信任厚く、上杉軍の勇将として奮戦し、その武功を賞賛されて「血染めの感状」を戴いたといわれます。さらに父長実は景勝の家臣として仕え、佐渡の平定や仙北一揆の鎮圧で大きな功績を挙げています。

 文禄元年(一五九二)、朝鮮出兵の最中、四十歳で亡くなった父長実の後を受け、まだ幼少の光長が色部の家督を継ぎます。長美は兼続に色部の将来を託して亡くなったと伝えられます。そして光長は兼続の妹を妻とすることになり、畑谷城攻め、長谷堂の戦い、さらには大阪の陣で活躍します。 

 光長は越後から宮内へ保呂羽神社を遷しています。仙北一揆は上杉景勝、大谷吉継によって平定されるのですが、その後の処理を任されたのが光長の父長実でした。長実は腹を切る覚悟で人質にとっていた武士たちの妻子を解放します。長実はそのことで土地民の信頼を得、帰国の際、かねて祈願をしていたこの土地の神様保呂羽権現の御神体をお預かりすることになるのです。一生の大事として取り組んだこの仙北での処理、その誠心が大事な土地の御神体を渡されるまでに土地の人々の心をとらえたのでした。『越国武鑑記』は、豊臣秀吉の天下統一が反抗勢力をも納得させつつ成し遂げられた象徴的逸話としてこの「仙北ニテ色部カ仕置之事」を最後にとりあげ締めくくっています。宮内の保呂羽神社は今も熊野大社の末社として残り、さらに米沢市窪田にある色部家の菩提寺千眼寺の保呂羽堂は、毎年十二月四日の裸餅つきで広く知られるようになっています。

 関が原戦役を経て上杉藩百二十万石から三十万石への減封後、色部は金山から米沢窪田に移り、以来色部家は上杉家家老職として藩の重責を担いつづけます。最後の家老となる長門守久長は、戊辰の役において新潟警備の総督として奮戦、被害の拡大を抑え事態を収拾するため僅か数名の兵を引き連れ新政府軍の本拠地に決死の斬り込みを行い割腹を遂げています。新潟の戦火の拡大が抑えられたのは久長の的確な判断によるとして、新潟の人々によって昭和七年久長の絶命の地に色部長門君追念碑が建立されました。また、戊辰の役の敗戦処理の中で米沢藩は、すでに亡くなっている色部久長一身に戦犯としての責めを負わせることで、ひとりの処刑者も出さずに済んだのでした。ひとり汚名を被って米沢を救った功績を称え色部長門君追念碑が、昭和三十八年米沢上杉記念館敷地内に建てられました。

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 今日米沢に行った帰途、窪田千眼寺に寄って色部家の墓を参ってきたところです。


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髙橋与一

2月10日の講演会楽しみにしています

by 髙橋与一 (2015-02-03 12:18) 

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